家も街も地球も、同じ発想で向き合う – ANDO KENCHIKU
野々市市:K邸
小さく建てて、大きく暮らす
知識やノウハウが豊富なタイプは、大きく2種類に分かれる。常識人か、あえて異端児か。安藤建築事務所は、いい意味での後者だ。たとえば、性能面。住宅業界ではやり過ぎといわれるほどの仕様や設備であっても、「本当に過剰性能なのだろうか」と疑問に思い、自邸の新築を超高断熱に設計。性能やエネルギー効率のデータを検証しながら、快適性を自ら体感している。
また間取りは、あえて必要最小限のコンパクトなプランを提案。無駄に大きく勧める業者とは対照的だ。「子ども部屋が必要な期間は、それほど長くありません。お子様が独立した後に、物置になっていたり、未利用空間になっていたりすることをよく耳にします。ですから、基本的にご夫婦の暮らしのためにプランします。この部屋や収納は、本当にその広さが必要なのか。『今』だけでなく『将来』について施主様と一緒に考えることを大切にしていますね」とは、安藤代表。
「1階で生活が完結する住まい」という要望でプランされたK邸。吹き抜けの開放的な室内は、約20坪という限られた面積を感じさせない。リビング奥に水回りとウォークインクロークを集め、「静かに眠りたい」というリクエストの寝室は、扉2枚で通じる別世界のように独立したスペースとして設計した。住まいの満足度は、決して広さや大きさで決まるものではない。

板張りのファサードが個性的。通常は屋根材に使用されることの多いウエスタンレッドシダー材を、一枚一枚、手張りで仕上げている。手間暇の掛かった住まいの顔。
リビングの奥が扉2枚で仕切られた寝室になっている。別世界のように静かに眠れるという。 形が微妙に違う板張りの外壁と、スウェーデ ン製の木製断熱ドアが溶け合う玄関まわり。



DATA
敷地面積 | 191.45m² (57.91坪) |
延床面積 | 105.99m² (32.04坪) |
1階床面積 | 71.21m² (21.54坪) |
2階床面積 | 34.78m² (10.50坪) |
◎工法/木造軸組工法 ◎基礎/ベタ基礎 ◎断熱材/グラスウール ◎屋根材/瓦 ◎外装材/塗り壁、ガルバリウム鋼板、木 ◎内装材/クロス ◎床材/無垢フローリング(アカシア材) ◎開口部/樹脂サッシ(トリプルガラス) ◎キッチン/システムキッチン ◎バスルーム/ユニットバス ◎竣工年月/2018年12月 ◎工期/6ヶ月 ◎家族構成/ご夫婦+お子様1人 |
安藤建築事務所
会社名 | 安藤建築事務所 |
住所 | 〒920-0348 石川県金沢市松村7丁目238番 |
電話番号 | 076-209-6682 |
URL | http://akenchik.h-imagine.net |