「上質な普段着」のような家づくり – SUI KENCHIKU DESIGN ROOM
金沢市:Y邸

例えば腕のいい仕立て職人が設計するような住まい
住まいに何を求めるのか、洋服に例えてみる。ステータスのシンボルと捉えるなら、高級ブランドを選ぶだろう。世間の評価や流行を参考にすることもあれば、自らのセンスを優先させることもある。体質や体形に合わせて、オーダーメイドで着心地のいい一着を仕立ててもいい。
もっと大きな買い物であり、人生という長いスパンを考慮して選ぶ必要があるのが住まい。より住む人の世界観や価値観が反映され、住み心地や性能など多岐にわたる要素が検討されるべきものだ。乱暴な例え方になるかもしれないが、住まいとは究極のファッションアイテムといえるかもしれない。
将来にわたってご家族の暮らしにフィットする家づくりに取り組む翠建築設計室。そのコンセプトは、「上質な普段着」というキーワードに凝縮されている。美しく豊かであり、日々の生活の中でくつろぎ安らげる一邸とはそういう表現になるのだろう。ハイブランドでもなく量産品でもない「腕のいい住まいの仕立て職人さん」の仕事といった感じだろうか。
リビングの畳は、イグサではなく和紙を編み込んでいる。寝転がってくつろぐのも心地よさそうだ。
もともと旧知の仲だったというYさんとの家づくりは、ビジネスではなく相談という繋がりから始まった。「知人なので商売的なことではなく、アドバイスするつもりで対応させていただきました」とは同事務所の岡本代表。
他社も見たり聞いたりしたが、思いがスムーズに伝わることや、シンプルな中にも個性的なデザインと優れた機能がバランスよく両立していることに共感して依頼することになったそうだ。家具や建具などオリジナルを多用して、可能な限り自然素材で仕上げた。
外観も新しい街並みを描きながら、昔からそこに佇んでいたように違和感なく溶け込んでいる。住宅が密集した街中の立地だが、中庭やハイサイドから光がいっぱいに採り入れられた明るい雰囲気になっている。
家事動線もスムーズで使いやすいというキッチン。畳リビングのご家族とも同じ目線で会話を楽しめる。


リノベで生まれ変わった同社の事務所兼ご実家
築45年というご実家をリノベーションして、事務所を併設。外観も室内もモダンに生まれ変わった。
お母様にお話をうかがったところ、デザインだけでなく、移動しやすい動線や冬も暖かい性能面など、住み心地が想像以上にグレードアップしたという。これから数十年、快適な暮らしが続くのだろう。
ご実家の生活スペースは、リノベーション前と比較にならないほど暖かく、床暖房があればエアコンなどはほとんど必要ないそうだ。




DATA
敷地面積 | 136.56㎡(41.32坪) |
延床面積 | 109.45㎡(33.11坪) |
1階床面積 | 67.73㎡(20.49坪) |
2階床面積 | 41.45㎡(12.54坪) |
◎工法/木造軸組工法◎基礎/ベタ基礎◎断熱材/発泡ウレタン吹き付け◎屋根材/ガルバリウム鋼板◎外装材/ガルバリウム鋼板◎内装材/クロス◎床材/無垢フローリング(ナラ材)◎開口部/樹脂サッシ◎キッチン/システムキッチン◎バスルーム/ユニットバス◎竣工年月/2019年6月◎工期/約6ヶ月◎家族構成/ご夫婦+お子様2人 |
翠建築設計室
会社名 | 翠建築設計室 |
住所 | 〒929-0327 石川県河北郡津幡町庄ト39 |
電話番号 | 076-289-2211 |
URL | http://ot3.jp |